新しく作られた地図記号

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2002年に博物館と図書館の地図記号が数十年ぶりに新しく加えられました。2006年には風力発電用風車と老人ホームの地図記号が加えられました。この2つは、全国の小中学生からの意見を取り入れたものです。地図記号を決めている『国土地理院(こくどちりいん)』がはじめて一般の人に地図記号を決めてもらおうと行いました。老人ホームは小学生が、風力発電用風車は中学生が考えたデザインです。12万件ものアイディアがあった中から選ばれて、これからずっと地図のなかで使われていくなんてすばらしいですね!

そして、2016年から新たに「外国人にわかりやすい地図記号」が16種類追加されました。これについてはこのページの下の方に説明があるので、最後まで読んでみてね!

どうして新しい地図記号が必要になったの?

地図記号の始まり

もともと地図は、日本のことを知るために、国を守るために作られていました。そこで、日本の中で偉い人たちが秘密の記号として地図記号を使っていました。戦いのときにも外国の人には、ばれないようにしていたのです。けれど日本はもう戦いをしなくなり、秘密にする必要がなくなって地図は誰でも読めるようになりました。地図記号も同じ事なのです。みんなが簡単に読めて、わかりやすいようにと変わりました。その結果どこに何があるかわかるようになったのですね。

現在の地図記号

みんなが地図を使ってみると、いつも使う場所の記号が無いということがわかったのです。最近になって、新しい施設(しせつ)の地図記号が増えたのは、地図が日常的に使われているということがわかりますね。地図記号を使っているからといって、その建物や地名が無くなったわけではありません。必要な文字は、やはりしっかりと記されているのです。新しく作られた地図記号は、パソコンの画面にあるアイコンにそっくりですよね。昔から使われている地図記号もどんどん変化していくのかもしれません。

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最近作られた地図記号の由来

博物館・美術館など

国で定められている博物館や美術館の場所には、思わず建物をそうぞうしてしまうようなデザインの地図記号が使われています。ここであることに気づくでしょうか?実際に自分の家の近くの博物館がある場所には、この記号が無いよ?と思う人がいるかもしれませんね。この記号は、東京国立博物館の建物の形を表していていますよね。なので地域の博物館にはこの記号を使われてはいないのです。国の定めていない博物館や美術館にはこの地図記号は使われてはいないのです。

図書館

図書館の地図記号は、見てすぐに『本』と気がつくことができて、わかりやすいですよね。公立の図書館に使われます。地図記号を使う地図は2万5千分の1となっていますが、図書館の記号は1万分の1の地図にもともと使われていたものでした。でも、1万分の1の地図は、東京や大阪のように大きな都市にしかなかったのです。この本の形は、斜めに書きます。地図記号は、地図に書いてある建物でも、まっすぐに書く決まりがあります。図書館の記号だけ斜めに書くのはちょっとふしぎですよね。

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風力発電用風車

最近は、火力発電や原子力発電が盛んになっていますが、風力発電は燃料が必要なく、自然の力だけで電気を作ることが出来ますよね。そのため、風力発電用風車は、日本の中でどんどん増えていっています。風車は時代に沿って作られた地図記号と言えますね。新しく作られたデザインは、円の周りに3本の羽根がついていて、風車の形がそのまま伝わってきます。

老人ホーム

日本は高齢化社会といわれ、これから65歳以上の人が増えていくと考えられています。町を歩いてみると、おじいちゃんやおばあちゃんがいますよね。国で定められている老人ホームのある場所にこの記号が使われます。建物の中に、杖が描かれており、わかりやすいデザインですよね。増えていくと思われる施設なので、大切な記号の1つになりそうですね。

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ユニバーサルデザインとバリアフリー

ユニバーサルデザインという言葉を知っていますか? できるだけ多くの人が使うことのできる物や空間のことをユニバーサルデザインと言います。子供にも大人にも、障がいを持っている人も快適に過ごせるようにすることが目的なのです。子供は、窓から外を見ようと思っても、背が低いから見られないですよね。そういう時には、窓を床の近くまで作るなどの工夫を行うのです。シャンプーとリンスの入れ物の違いを知っていますか? シャンプーの入れ物だけに、ギザギザがついています。今度、お風呂で確認してみてくださいね。目が見えない人のためではなく、誰でも触っただけでわかるようになっているのです。

ユニバーサルデザインという言葉がみんなに知られる前は、バリアフリーという言葉が良く使われていました。バリアという言葉は、壁や障がいを意味しています。床を平らにして動きやすいようしたり、ドアノブを低くしたりと障がいを持った人のためを考えていました。老人ホームはどちらでしょう? 最近は、ユニバーサルデザインを考えて作られています。みんなが、何かをするときに障がいを感じるのものなのですから、とても良い考え方ですよね。地図記号もユニバーサルデザインとなって行くと良いですね。

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外国人にわかりやすい地図記号って何?

2020年の東京オリンピックのために

日本人が使っている地図に使われる地図記号は日本で作られたもので、外国の地図では別の地図記号が使われています。そのため、日本に来た外国人が日本の地図を見たときに、記号の意味を間違ってしまうことがあるのです。そこで、地図を管理している国土地理院は2020年のオリンピックのため、そして、これから日本に来る外国人観光客のために「外国人にわかりやすい地図記号」を新しく作ったのです。地図記号をみんな外国人にわかりやすくするのは大変なので、外国人がよく訪れる場所だけ考えられました。

外国人にわかりづらい地図記号って?

日本人にはおなじみの地図記号も、外国人にとっては全くわからなかったり、別のものと勘違いしてしまうことがあります。たとえば、郵便局のマークは「〒」であることは日本人なら誰もが知っていますが、このマークはそもそも郵便局の古い名前である「逓信省(テイシンショウ)」の頭の文字「テ」から来ています。つまりこれは日本でしか使われていない記号なので、外国人にはさっぱりわかりません。こういう、外国人にはわかりづらい記号がどれかを知るために、国土地理院は実際に外国人にアンケートを取って、「外国人にわかりづらい地図記号」を調べたのです。

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外国人にわかりやすい地図記号16種類とその由来

郵便局

郵便局の外国人向け地図記号

郵便局は外国人が日本で買い物をしたとき、自分の国に荷物を送りたいときに使う場所なので重要です。しかし、日本の地図記号では「〒」という外国にはない記号なので、お手紙を表す図形を使うことになりました。日本の地図記号はこれまでどおりこちらです
郵便局の地図記号

神社

神社の外国人向け地図記号

神社は外国人が日本に来たときの観光のひとつとして訪れる場所です。これは神社の入口にある鳥居を表していて、日本の地図記号と同じデザインに決まりました。

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交番

交番の外国人向け地図記号

交番の場所はトラブルに巻き込まれたときに必要な大事な場所です。しかし、日本の地図記号では警察官が持つ警棒という道具を2つ重ねた「×」の形で、ちょっとこの記号だけでは警察の場所だとはわかりません。そこで、建物の中におまわりさんがいるデザインを外国人向けに作りました。
ちなみにこちらが日本人にもちょっとわかりづらい日本の地図記号です
交番の地図記号

教会

教会の外国人にわかりやすい地図記号

教会は十字架のマークだけのデザインでしたが、外国人から見るとお墓だとおもってしまうので、建物を追加したものが作られました。
こちらが日本での教会の地図記号です。
教会の地図記号

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博物館・美術館

博物館・美術館の外国人にわかりやすい地図記号

博物館と美術館は外国人が日本に来て行ってみたいところのひとつです。こちらはデザインに大きな変更はなく、少しリアルな図形になりました。
こちらが日本での博物館・美術館の地図記号です。
博物館・美術館の地図記号

病院

病院の外国人にわかりやすい地図記号

病院は体調が悪くなったときのための、とてもとても重要な場所です。日本の地図記号では十字形をホームベースの形で囲んだものですが、「教会」「お墓」「旗」「盾」と外国人には様々なものに見えてしまうため、わかりやすく十字形を建物の形で囲うデザインになりました。
こちらが日本での病院の地図記号です。
病院の地図記号

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銀行・ATM

銀行・ATMの外国人にわかりやすい地図記号

銀行とATMの地図記号はこれまでありませんでしたが、クレジットカードが普及していない日本では現金の引き落としや両替のために銀行・ATMが大事であるため、新しく作られました。「日本の円を手に入れられますよ」というデザインです。

ショッピングセンター・百貨店

ショッピングセンター・百貨店の外国人にわかりやすい地図記号

これも従来の地図記号にはありませんでしたが、買い物をする外国人のためにわかりやすいショッピングカートの地図記号が採用されました。

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コンビニ・スーパーマーケット

コンビニエンスストア・スーパーマーケットの外国人にわかりやすい地図記号

ちょっとした日用品の買い物に便利なコンビニやスーパーの地図記号も新しく作られました。ショッピングセンターや百貨店と違ってショッピングカートを使わない程度の軽いお買い物におすすめという意味が込められた「サンドイッチとボトル飲料」というデザインです。日本人だとサンドイッチでなくおにぎりを採用したいところですが、外国人向けですのでサンドイッチです。

ホテル

外国人にわかりやすいホテルの地図記号

ホテルは日本の地図記号と大きく変更されました。日本のものはHotelの頭文字Hを丸で囲んだ記号でしたが、英語では病院もHospitalで頭文字がHになってしまい紛らわしいので、人がベッドで寝ているわかりやすいデザインになりました。
こちらが日本でのホテルの地図記号です。外国人には「ヘリポートに見える」という賢い指摘もされたそうです。
ホテルの地図記号

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レストラン

外国人にわかりやすいレストランの地図記号

レストランも日本の地図記号にはありませんが、日本の食文化を楽しみたい外国人や、食べ慣れた洋食のレストランを探す外国人のためにわかりやすい地図記号が採用されました。お食事といえば箸ですが、外国人向けなのでもちろんフォークとナイフです。

トイレ

外国人にわかりやすいトイレの地図記号

初めての場所に行ったときにトイレがどこにあるのかという情報はとても重要ですよね?特に、外国に行った場合はどこに行ったらトイレがあるのかさっぱりわかりません。そこで、日本の地図記号にはありませんでしたが、世界的に共通なトイレのマークを使うことになりました。

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温泉

外国人にわかりやすい温泉の地図記号

日本といえば温泉です。温泉の地図記号は非常にわかりやすく、日本で使われているものと全く同じものが外国人用にも使われることになりました。

鉄道駅

外国人にわかりやすい鉄道駅の地図記号

鉄道駅は日本の地図記号では線路の記号の途中に四角で表される地味なものでしたが、鉄道で移動することの多い外国人のためにわかりやすい記号が新たに作られました。

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空港・飛行場

外国人にわかりやすい空港・飛行場の地図記号

空港の地図記号は日本のものと同じですが、飛行機がより飛行機らしく見える改良が加えられました。日本のものは、少しかわいらしい飛行機が描かれています。
こちらが日本での空港・飛行場の地図記号です。
空港・飛行場の地図記号

観光案内所

外国人にわかりやすい観光案内所の地図記号

こちらも日本の地図記号にはありませんでしたが、外国人観光客に必要不可欠な場所なので新しく作られました。「?」の方は人がいる観光案内所で、「i」の方は人がいない無人の案内所です。日本人は「i」を見ても、ん??と意味がわからない人がいるかもしれませんが、英語がわかる外国人にはinformation(インフォメーション)の「i」だととってもわかりやすいのです。

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言葉がわからなくても記号で伝わる!

これから日本にはたくさんの外国の人たちが来ます。それぞれの国で言葉や文化、歴史や宗教が違うため、すぐに日本人と仲良くなることは簡単ではありません。でもみんな同じ人間で、お互いのことを思いやればきっと気持ちが伝わるはずです。自分との違いを受け入れ、道に迷っている外国の人がいたら地図を使って教えてあげましょう!(でも良い子のみんなは、一人でいるときに知らない大人に話しかけちゃだめ!危ない人かもしれないから気をつけよう!)

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